この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第7章 赤いシルシ
「不破! 起きろ!」
「……?」
男が机を叩いて不破を起こすと、一拍おいて彼は目を開ける。
のそりと上半身を起こしてあぐらをかくと
あからさまに不機嫌な男を意に介さず、いたって呑気に問い掛けた。
「……どうした?」
「あの女、いつもの女と違うじゃねぇか」
「…?」
そして顔をしかめる。
「…よく意味がわからない」
状況を把握できずに仲間たちに目を向けると、皆が一様にきまりの悪い顔をしている。
「…いつもと違う? 何のことだ」
「まさか無理やりここに連れて来たってんじゃねぇだろうな?」
「は…?」
「いつもみたくセフレに誘ってきた女じゃなかったのかよ。説明しろ。あいつは処女だった」
「……!」
なん だと?
あぐらをかいた不破の身体が僅かに前のめり
ズボンのポケットの中で、煙草の箱が潰れた。