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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第7章 赤いシルシ
花菜は不破と目を合わせずに首を振り乱しながら、指を挿れてくる彼の手を引き剥がそうと両手で必死に抵抗する。
彼の腕を掴んで、つま先立ちになり…、少しでも挿入を浅くしようともがいていた。
これでは会話にならない。
「此方を見ろ」
「…ひっ」
不破は他方の手で花菜の顎を掴み、自身に顔を向けさせた。
そうやって無理やり目を合わせておいて…無言のまましばらく見つめる。
顎を持ち上げられ首が直角に曲がった花菜は、ほんの少し静かになった。
「──…」
不破の視線が、顔からそっと下へと滑り
彼女の首元で止まる。
ショートボブの黒髪から覗くうなじ──その場所を、彼は改めて見直した。
「…赤い」
「‥‥?」
そこにはアザがある。
それは、赤色の痣だ。