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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第8章 洗ってあげる
「そんなことない…。お兄ちゃんを疑ったりなんて、しない」
「……」
「信じてる」
「…よかった」
伊月がホッとした様子で、花菜のおでこに額をコツンとぶつけた。
軽めに触れ合う二人の額。
それは身長差のある二人がするには無理がある体勢で、伊月は腰を屈めていた。
スルっ...
始めに脱ぎ始めたのは花菜からだろうか。
互いの額が離れたと同時に、彼女はブレザーから片腕を抜いた。
それを手伝う伊月の手──。
両腕を抜いたブレザーは洗面所の床に落ちた。
その下の、シャツのボタンをひとつづつ外していくのは伊月の指。
ひとつ、ひとつ
それはどこか手慣れていて…。
緊張気味の花菜は、そんなことまで頭が回らない様子であったけれど。