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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第9章 俺はお前に興味がある


な、なんで…?


「家事をしているだけにしては…表情がころころと五月蝿かったが」

「不破先輩…」

「…それは兄貴のか」

「え?あっ…はい」

うそ

「あっ…!」

ベランダの下から声をかけられた花菜は、まさかの相手に驚いて洗濯物を離してしまった。

ヒラヒラと宙をまった伊月の下着が…そのまま道路に落ちてしまう。

しかしこちらを見上げる不破( フワ )は、落ちた下着に目もくれなかった。


「──…っ」

二階のベランダから不破が立つ場所までは距離がある。彼が何をしたところで手が届くわけがない。

それでも花菜の身体は震え、思わず一歩、後ずさっていた。

“ なんであの人が…!? ”

このアパートにまで現れるなんて──

高校から遠いのに、どうして?

「待て」

「…っ」

「逃げるな、面倒だ」

家まで追ってこられたという事実があまりに怖い。

急いで室内に逃げ込もうとした花菜だが──先手をうって、不破に呼び止められた。

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