この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第9章 俺はお前に興味がある
な、なんで…?
「家事をしているだけにしては…表情がころころと五月蝿かったが」
「不破先輩…」
「…それは兄貴のか」
「え?あっ…はい」
うそ
「あっ…!」
ベランダの下から声をかけられた花菜は、まさかの相手に驚いて洗濯物を離してしまった。
ヒラヒラと宙をまった伊月の下着が…そのまま道路に落ちてしまう。
しかしこちらを見上げる不破( フワ )は、落ちた下着に目もくれなかった。
「──…っ」
二階のベランダから不破が立つ場所までは距離がある。彼が何をしたところで手が届くわけがない。
それでも花菜の身体は震え、思わず一歩、後ずさっていた。
“ なんであの人が…!? ”
このアパートにまで現れるなんて──
高校から遠いのに、どうして?
「待て」
「…っ」
「逃げるな、面倒だ」
家まで追ってこられたという事実があまりに怖い。
急いで室内に逃げ込もうとした花菜だが──先手をうって、不破に呼び止められた。