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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第9章 俺はお前に興味がある
「わたしに何の用ですか…!?」
教師から住所を聞き出してこんな所までやって来るなんて、彼は何を企んでいるというのか。
学校からこのアパートまでバスで1時間近く。
ただの気まぐれなわけがない。
「……」
「…っ…黙っていないで何か言ってください!」
近所迷惑になる声量で花菜は叫んだ。
彼女にとって、この男に向けられる視線そのものがもはや恐怖だったから。
「あなたを怒らせたなら謝ります!…わたしのことが気に食わないなら…ッ…それを教えて下さい直しますから!」
「……」
「……どうして家まで来るの?」
「…ふん」
「あんな仕打ちをしておいてまだ…!! 足りないんですか…!? お願いですから──…」
昨日の記憶が舞い戻ってくる。
永遠とも思えるような悪夢の仕打ちが──。
「お願いですから許してください、もう」
「──…」
「…もう…許して ください。ごめんなさい…!!」
「……また」
「…!?」
「また謝るんだな……お前」
「─…ッ…、また、って…」
許しを乞う花菜を、冷めた表情で見上げる不破。
『 馬鹿が──…正しいのはお前だろう』
あ…
『 お前が謝る必要ないだろ… 』
あの日…学校の屋上でわたしを見た時と、同じ目。