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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第9章 俺はお前に興味がある


「今日の不破先輩は本を持っていませんから」


「……。昨日、捨てたばかりだからな。次のを調達するには早いだろう」


「──調達というのは、盗むっ…ことですよね?」


「……」


花菜は相手の顔を見れなかった。

今にも拳が飛んできそうで、怖くて前を向けない。

これじゃあ喧嘩を売ってるも同然…。

わかってる、わかってるんだけど…。


「もう本を盗まないでください。その代わりにこれを…!」

「…は?」

「これ を……ッ」


“ やっぱり怖い。先輩…怒ってる ”


そりゃあ怒るよ。

なんだって、こんなタイミングでこの話題を掘り起こさなきゃいけないの、…バカだ。

放っておけば先輩は帰ってくれたのに。


“ こんなことしたって……受け取ってくれるわけないのに ”


「あの…!!」

「……ハァ」

「──…っ」


ホントにわたしは、どうかしてる。


不破の溜め息が彼女の耳に届いた


その時──差し出していた本が



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