この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第9章 俺はお前に興味がある
「──…俺は " お前 " に興味があるからな」
グイ...!
本を捨てたその手が、花菜の二の腕を掴む。
“ ぇ‥!? ”
彼の方へ引き寄せられ
同時にすくい上げられた顎──。
首が直角に曲がるくらい強引に上を向かされた花菜は、どれだけ目を見開こうとも視界が闇だった。
何も見えない。
ただ、唇の感触が──
「…‥ん‥グ」
唇の感触だけがこの事態を教えてくれる。
「…な‥ッ…んで、…は…ンぁ‥!?」
「……」
「ん…ん‥‥っ、ん…ッ‥」
全く理解不能なタイミングで彼女は唇を奪われていた。
くわえて、すかさず舌が差し込まれたものだから…頭は早くもパニックだ。
「…‥ふぅ!?……ハァ、…ハァ…!」
ヌルリとした舌が、歯の隙間を通って奥まで入ってくる。
“ な、な、なんで……!? 先輩の舌が……!? ”
花菜がこれをキスだと認識するには至らなかった。
舌を口内へ押し込まれている。
息苦しい。できれば追い出したい。
でも絶対に歯を立ててはダメだ──本能的にそれを察した。