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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第9章 俺はお前に興味がある



「──…俺は " お前 " に興味があるからな」



グイ...!


本を捨てたその手が、花菜の二の腕を掴む。


“ ぇ‥!? ”


彼の方へ引き寄せられ

同時にすくい上げられた顎──。

首が直角に曲がるくらい強引に上を向かされた花菜は、どれだけ目を見開こうとも視界が闇だった。


何も見えない。

ただ、唇の感触が──

「…‥ん‥グ」

唇の感触だけがこの事態を教えてくれる。

「…な‥ッ…んで、…は…ンぁ‥!?」

「……」

「ん…ん‥‥っ、ん…ッ‥」

全く理解不能なタイミングで彼女は唇を奪われていた。

くわえて、すかさず舌が差し込まれたものだから…頭は早くもパニックだ。

「…‥ふぅ!?……ハァ、…ハァ…!」

ヌルリとした舌が、歯の隙間を通って奥まで入ってくる。

“ な、な、なんで……!? 先輩の舌が……!? ”

花菜がこれをキスだと認識するには至らなかった。

舌を口内へ押し込まれている。

息苦しい。できれば追い出したい。

でも絶対に歯を立ててはダメだ──本能的にそれを察した。

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