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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第10章 兄妹だから

「ポストに何か入ってるね」

「あっ…と、それは」

「見てくるよ」

伊月が買い物袋をその場に落とした。

花菜が驚いている間に、両手が自由になった伊月が郵便ポストめがけて走って行ってしまう。

花菜が止める隙はなかった。


....



「………、これは…」


“ あそこに何か入ってたんだっけ…──あ! ”


伊月が落とした買い物袋に気を取られていた花菜。

思い出した。

あのポストの中には──

「…え、僕のパンツ…!?」

「それっ…わたしが落としたのごめん!」

「…?」

ポストの中を確認した伊月が目を丸くする。

そこにはシワになったプリントと一緒に彼の下着が押し込まれていたのだから当然だ。

入れたのは不破だ。

ベランダから落としたのが花菜…。

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