この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第10章 兄妹だから
「一緒にあるのはプリント…? 花菜の学校のかな。暗くて読めないけれど」
「届けてもらったの! そのパンツは干してる途中に手を離しちゃって、…だからその人がプリントと一瞬にポストに」
「なるほどね」
伊月がくつくつと喉で笑う。
彼はホッとした様子で、変に慌ててしまった自分に向けて笑っていた。
慌てた理由?
そんなもの…花菜が知るわけない。
「ごめんね? お兄ちゃんのパンツ洗ったばっかりなのにまた汚しちゃって」
「そんなの平気さ。あ、荷物ありがとう」
「いいよわたしが持つ」
買い物袋を両手で持って追い付いた花菜は、受け取ろうとした彼に首を振った。
そして顔を上げ…
アパートのベランダを見上げる。
パタパタ...
そこには、彼女が途中まで取り込んでいた洗濯物が干してある。