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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第10章 兄妹だから
その中には彼女の下着が残っていて、少し湿った夜風にあおられ、はためいた。
“ あ… ”
「花菜?」
「……//」
それを目に止め、硬直する。
わたしってば…また変なこと考えて…//
「あの さ」
「…どうかした?」
「洗濯物のことなんだけどね、これからはわたしがするよ。干すのも、たたむのも」
「ん? 家事を手伝ってくれるのはもちろん助かるよ。でも急にどうして?」
「だって……」
顔が赤くなって、次の言葉を言いよどむ。
変なことは口走らないように
そう、なるべく自然に、自然に…
「だって全部まかせきりは駄目だと思って。…その、今日やってみたらわたしにもできたし」
「……」
「少しくらい手伝わないとお母さんにも怒られちゃうよ」
「……」
可笑しなことは言っていない…はず。
けれど伊月の返事がない。
“ これはこれで、嘘じゃないよね? ”
どこかわざとらしかったろうかと花菜が不安になり始めた時
やっと口を開いた伊月が、妙に真剣な声で問いかけた。