この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第2章 憧れの……
伊月は誰もが振り返るような美形の青年──とまではいかないが、クセがなく整ったそれは男女ともに好かれる顔立ちだ。
どちらかというとタレた目元。なだらかな眉。
微笑みの絶えない口元からは人を貶める言葉を聞いたことがない。
背は高いが華奢なために威圧感はなく、彼の繊細な物腰と合わさって……長く影を伸ばす秋の木洩れ日のようだと花菜は思った。
髪は短めに整えられ清潔感があり、片目にかかるくらいの前髪はサラリと軽やかで──
ボブにしてもくるくる毛先が暴れる癖っ毛の花菜とは大違いだ。
そして何より、彼女との大きな違いをあげるなら
それは伊月が──周囲から愛される人間だというところだ。