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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第2章 憧れの……

伊月は誰もが振り返るような美形の青年──とまではいかないが、クセがなく整ったそれは男女ともに好かれる顔立ちだ。

どちらかというとタレた目元。なだらかな眉。

微笑みの絶えない口元からは人を貶める言葉を聞いたことがない。

背は高いが華奢なために威圧感はなく、彼の繊細な物腰と合わさって……長く影を伸ばす秋の木洩れ日のようだと花菜は思った。

髪は短めに整えられ清潔感があり、片目にかかるくらいの前髪はサラリと軽やかで──

ボブにしてもくるくる毛先が暴れる癖っ毛の花菜とは大違いだ。


そして何より、彼女との大きな違いをあげるなら

それは伊月が──周囲から愛される人間だというところだ。

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