この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第12章 かき乱す者
「寝るか」
「はい…!?」
ドサッ
靴も脱がずに…不破がベッドに横たわった。
枕の高さが気に入らなかったのか、それをベッドの下に捨てた彼は、自分の腕を枕代わりにして身体を横に向けた。
花菜が立っているのとは反対側の、壁の方を向いて。
「何してるの…!?」
「わかるだろ。寝る」
「じゃなくて! なんでわざわざここで今──」
「昨夜は寝なかったからな。ここは涼しくて静かだ…寝やすい」
「……っ」
意味がわからなかった。
不破の言い分に理屈など通っていない。のに、非常識なのはこちら側なのかと思ってしまうほどの堂々ぶり。
なんで…どうしてこの人は…
こうやっていつも堂々としていて迷いがないのか。
自分が正しいと信じているのか?
自分こそが正しいのだと──
“ いいえ、違うんだわ ”
そうじゃない。この男は正しいなんてこれっぽっちも思っていない。