この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第14章 飽きられるまで
その見た目は、小さい頃に地元の祭りで食べたクレープというスイーツに似ていた。
でもあれはもっと薄い生地に包まれていた。今、この溢れそうなアイスやらクリームやらを辛うじて包んでいる生地はフワフワサックリとしていて、何だろう……ワッフルに似ている。
「美味いのかよ」
「……えーと」
不破に感想を聞かれたが、まだクリームに到達していない彼女は生地しか食べていない。
普通の女はここで「美味しい」と絶賛するだろうが、花菜は正直に首を傾げた。
「まだよくわかりません」
「……チっ、貸せ」
「…っ」
また、舌打ち──。
はっきりしない花菜に苛立ったのかと思えば、不破がワッフルクレープを彼女の手ごと掴んで顔を寄せる。
きゃあと周りの誰かが叫んだ。
「……//」
「……ああ、こういうのか」
ベリーソースのかかったチョコアイスを生地ごと食べて、不破は最後に唇を舐めた。
結局美味しいのかよくわからない表情で、屈ませていた身体を元の姿勢に戻す。