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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第3章 ルール
「おもしろ! 鈴村さん面白い」
「あい変わらず真面目キャラだよなー」
「えーじゃあ私らもさぁマジメにやってみるぅ? …ププ!」
掃除道具を持ってすらいない彼らは、両手を腹にあてるか──それかバンバン手を叩くかしながら、互いを見合って笑っている。
何もふざけた事を言っていない花菜はこの反応が心外だ。
でもここまで笑われている原因がさっぱり浮かばないから、無言で見上げているしかなかった。
おかしな物でも食べたんじゃないかと、そう疑いたくもなる異様さだった。
「ハハっ! ハハ…。鈴村さんさぁ」
「……!!」
「そうやって掃除して、ナンかいいことあるの?」
「…、いいこと?」
「だって面倒くさいじゃん」
「…っ、面倒くさいかもしれないけど…! 掃除はする "決まり" でしょう? やらないと先生に怒られるよ」
「みんな聞いた~? 決まり、だって」
「え……」
「ダサ」
ダサい…!?
衝撃的な返しに、花菜の表情が凍る。
その女生徒の言葉に賛同する合いの手が、周りの男子達からも次々に起こった。