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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第3章 ルール

ダサい……
なんで? どうして?
ドウシテ、そんなこと言われなきゃいけないの
「そんなふうに規則に縛られてるって言うの? なーんかダサくない? 先生の機嫌伺うのも嫌だし!」
「大人に押し付けられた規則なんて守るの馬鹿みたいじゃん。私はもっと自由に楽しく生きまーす」
「私も~」
「俺も、俺も」
おかしいよ
この人たち、おかしいよ
「だいたい俺らって勉強しにここ来てんのに、掃除強要されるのって間違ってねぇ? どうせ経費削減のためにいいよーに使われてるだけで…──」
「……ッ」
タタっ
気付いた時には、花菜は逃げ出していた。
拾ったばかりのホウキは途中で手放した。
駆け下りる背中に、また笑い声が降り注ぐ。
でも耳を塞いでいる余裕なんてなかったから、とにかく彼女は全力で逃げていた。
唯一、雨音が味方してくれたから──
何も考えず外に飛び出していた。

