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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第15章 汚れた安堵
家族がいない。さっきの話── "妹" がもういない事にしても、これ以上踏み込んではいけない領域なのだろうか。
「でもっ、独りじゃあ…生きていけない…ですよね?」
「金のことか?真っ当でない裏の稼ぎ方なんていくらでもある」
「う ら…?」
「……お前は知らなくていい」
不破がチラリとパソコンの画面に視線を流す。
それを追って見てみると、花菜には何のことやらわからない数式と記号の羅列が画面を覆っていた。理由はないが、花菜はその画面に良いイメージを持たなかった。
「どうでもいい事を気にするな。早くこれも脱げよ」
「…っ」
「ソファーにまでチョコを付ける気か?」
グッと彼女の方に身を乗り出した不破。
片手でシャツの衿を掴み、首元から順にボタンを外していく。
「先輩…!」
狼狽えた花菜を、今さらどうしたと嘲笑う。