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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第16章 崩壊への誘い

外に買いに行けばいいが今はここに留まるしかない。

電気の付かない古い照明の代わりにパソコンの電源を入れた不破は、興奮してしまった自分を落ち着かせるためにソファーへ腰掛けた。


すると…


コツン


何か固い物がローテーブルの下に転がっているのを、靴を履いたままの彼の足が見付けた。

「…?」

無視しようか迷った後で拾うことにする。

掌に収まったそれをパソコン画面の前に持っていくと、──それは花菜がいつも身につけている髪飾りだった。

“ そういえば落としたんだったか… ”

ここで彼女を抱いた時に床に落とした。そのまま忘れて帰したらしい。

銅色縁の、赤い円形のアクセサリー。

『 お兄ちゃんから貰ったんです 』

兄からの贈り物だと話していた。明日の朝…この髪飾りが無いことに気付いた彼女は顔面蒼白で探すのだろうか。



「──…」



待て、何だ……?


これは



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