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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第17章 いつか 離ればなれ
「…ンふ、‥フ……!!‥…‥‥んっんっ…」
「……ハァっ…ハ、っ…!」
「ンン‥‥!! ァ‥…フ‥‥ッ」
内股になった花菜はガクガクと膝を揺らした。
もう立っていられそうにない。
身体の重みで本当に首がちぎれるかと思った時
グイッ...
「──!?」
伊月の身体が迫り、彼女は壁際に押し付けられた。
後ずさった花菜の背が固い壁に触れたと同時、伊月の両手が脇の下から崩れる身体を持ち上げる。
そして今度は下からすくい上げるような角度で、彼の唇が重ねられた。
ヌル....
肉厚な舌が再び割り込む。
声を出す隙さえ彼は与えないつもりなのだ。
「…‥ッ─‥‥ハ ァ…おに…‥ちゃ……」
彼女の声を聞いてしまったら
優しい伊月は
引き返さなければならないから──
「ン‥…ハァ‥!‥ぁ、‥ゃめ…!!」
「…っ」
やめて
火照った声で拒絶の言葉を吐き出す
そんな矛盾だらけのこの女を、矛盾のうちに力付くで抱き潰せるほど
優しい彼は勇敢ではなかったから。