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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第18章 僕を見て
伊月が何よりも安らげる存在だ。
「…ン……ハァ、ハァ…」
伊月は息を許さないほど執拗に舌を絡め、彼女の呼吸を乱す。
このまま口と鼻を塞いで冷たい身体にしてしまいたい。…なんて、投げやりな思考だ。
けれど完全な冗談ではなく、本当に…時々、頭をよぎることがある。
これまで彼女にココアを作ってやりながら伊月は何度も思ったものだ。
“ ずっと……眠り続ければいいのに。僕を見てくれない目なんて永遠に閉じたままでいいのに ”
そうなれば…ずっとこうしていられる。
伊月はその全身で花菜を感じ、思う存分愛しぬくことができる。
こうやって……
「はぁ…っ……花菜」
自らの唾液を彼女のものと絡ませ、溢れるほど流し込み強引に呑ませる事だって彼の自由だ。
本性を…醜い人間の愛憎を
呑み下せ
無邪気に毒を吐くその細い喉で呑み干せと…
独りよがりなキスができる。
ゴボっと彼女の喉奥で低い音が鳴った後も、伊月に遠慮なんてなかった。
彼女の頭を抱えて唇を貪るその影が、獲物を捕食する飢えた獣となって部屋の壁にぼんやりと映り込む。