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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第19章 シロツメ草の記憶

「帰ろうと思ったけど、わたしには帰る場所も…もう…!」

「──…」

「どこにもありません…!」

「…お前」

ハッと顔色を変えた不破が、座る花菜の肩を上からわし掴んだ。

彼女を仰向けに押さえ付けて馬乗りになる。

制服のリボンを解き、続けて襟(エリ)のボタンを外す。

「……っ」

さらけ出した花菜の素肌を確認した不破は動きを止めた。

彼女の顔から下は…首も含め

その身体は無数の噛み痕で埋め尽くされていたのだ。




「………ぅ」

沈黙を置き、花菜は目に涙を滲ませる。

隠そうとしていた顔はすでに目が腫れ上がり、ひどく醜いものだった。

「昨日はこんなもの無かったよな…俺が付けた痕じゃない」

「…ッ…ち、がう…」

「何が違う?これだけ見事に付けておいて誤魔化しは効かない。あの兄貴だな」

「やめてください!」

だが不破はそんな彼女の泣き顔を見ても無残な肌を見ても、いつもの調子で話を続けた。

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