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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第19章 シロツメ草の記憶
身体中が熱くて痛くて
このままじゃ死んじゃうってくらい苦しくて
…でも幸せだった。
信じられないくらい気持ち良かった。
子宮から脳ミソまでぜんぶ溶けてた。
ドロドロに溶けて……芯まで蕩けて、お兄ちゃんのにくっ付いて絡まって……それで、グチャグチャに混ざり合ってた。
他の人じゃあ、ありえない
あんなにすごいの……他の人じゃあ絶対にない
あんなに怖くて幸せな時間……きっと一生、味わえない
「──…なら目を開けなかったのは何故だ」
「……」
不破は依然として花菜の手を離していなかった。
覆いかぶさったまま問いただす不破は、幸福とは無縁な顔の彼女を至近距離で見下ろす。
「自分が兄貴に惚れていると…何故その時認めなかった?」
「……ッ」
「お前は何に目を閉じた…!?」
「…ッ…無理、ですよ」
「……」