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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第20章 溺れた兄妹
それでも君は、夢の中にひとり残るの?
僕をいつまでも " 兄 " と慕い……
本当の僕から目をそらし
辛い過去を投げ捨てて
暗闇の中にいつまでも沈んでいるつもりなの?
僕が本当は君を置いていけない事を知っていて…そんな所に留まろうとするなんて、恐ろしい子だ。
でも悪いのは僕なのかな。
君を助けたいと、その後を追いかけた僕が愚かだっただけなのか。
『 わたしのこと、ずーっと好きでいて
どこにもいかないでほしいの 』
ねぇ……花菜
何故だろうか
僕が愛した君は
どうして、こうも、残酷なのか
.....
「……─ッ…ン、おに……ちゃん…!」
「………」
「──おにいちゃん、伊月お兄ちゃん!」