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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第4章 発芽
「チクるとかそういう問題じゃなくて…!」
「お前さ、いきなり現れて、生意気すぎると思わねぇの?」
「……!!」
「ハァ……ホントうぜぇわ、こういう女」
掴まれた腕はびくともしない。
花菜が身をよじっても離してくれない。
むしろ…徐々に強くなる力に締め付けられて、痛みに堪えきれず涙が滲んだ。
「うざいから、泣かせていいか?」
「……っ」
泣かされる…
殴られるの?
花菜は一気に青ざめた。
うざいから、殴られるの?
“ どうしてわたしって、こう…上手くいかない ”
誰に何と馬鹿にされたとしても、真面目に生きていくんだって決めたのに。
こんなわたしだけど
お兄ちゃんは、真面目なわたしが好きだって言ってくれたから──。
『 僕だけは花菜の味方だからね 』
お兄ちゃん……!
「…ッ─…ご め……っ、ごめんなさい…!!」
「今さら謝ったところで…──ッ」
助けて、よ
お兄ちゃん……!!
....
「──…馬鹿か」