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第19章 短い蜜月

「君は新婚さんで、相馬様の病状も良くない。
時期が時期なだけに、大変だと思うが。そろそろ、専門医の認定試験受けても良かろう」

心臓血管外科の技術向上の為に設けられた若い医師向けの専門医認定。

俺自身、評定基準はある程度クリアしていた。

「年内は無理でも来年を目途に考えないか？相馬君」

「はい・・・」

「・・・年内はセミナーや学会の積極的に参加し、今回、執刀した彼女の症例をモチーフに論文を完成させるんだ。、できるか？相馬君」


「何とか頑張ってみます」

「・・・俺は君のような若いドクターに期待しているんだ・・・」

「・・・院長はまだまだ現役でしょ？若い俺たちの院長の腕を見せてください」

「・・・そう言われてもな…昔のようにメスは動かせない・・・」
院長は苦笑混じらせ、返した。


「話は以上だ。忙しい君を呼び出して悪かった・・・」

「いえ・・・それでは失礼します。高木院長」

俺は院長室を出て、気を引き締めた。

論文か・・・

―ーーー子作りも急がないと。

カラダがいくつあっても足りないぐらい忙しくなりそうだ。