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初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
第19章 短い蜜月
ー柚希side-
渚医局長は無事に中央アフリカに旅立っていった。
彼の代行で、大泉先生が医局長に就いた。
「相馬先生、高木院長がお呼びだ」
「えっ?」
俺は大泉医局長に連れられ、院長室を訊ねる。
昨年、白内障を患い、現場を休み、自身の療養と院長の仕事だけをこなしていた高木院長。渚医局長が旅立ったのをきっかけに現場復帰を果たした。
「院長、相馬先生を連れて来ました」
「入れっ」
御年73歳の高木院長は小児心臓血管外科医のパイオニア。彩名の主治医でもあった。
生後間もなく、重篤な心臓病だった彩名の手術を執刀。当時、難病の心臓病を患った彩名の命を救った人。
医官にはなれなかったが。
病院で働くなら、憧れの高木院長、彩名がお世話になった「清友会総合病院」でと思い、ここを選んだ。
「俺はこれで・・・」
「ありがとう。大泉君」
大泉医局長は俺を残し、姿を消した。
「掛けたまえ。相馬君」
「はい」
俺と院長は応接ソファを囲む。
「この間の手術は成功だったようだね・・・」
「はい。麻酔から覚めても、意識が回復せず、合併症かと焦りましたが・・・無事に意識も回復し、もうすぐ、退院致します」
「・・・そうか…我が病院はまた一人の少女の命を救ったんだな・・・確か彼女は17歳。16歳以下なら、もう少し難手術として加点も高ったんだが・・・」
高木院長の言う加点とは、4つの学会で構成される心臓血管外科専門医認定機構が示す、ガイドラインの評定基準の話。
渚医局長は無事に中央アフリカに旅立っていった。
彼の代行で、大泉先生が医局長に就いた。
「相馬先生、高木院長がお呼びだ」
「えっ?」
俺は大泉医局長に連れられ、院長室を訊ねる。
昨年、白内障を患い、現場を休み、自身の療養と院長の仕事だけをこなしていた高木院長。渚医局長が旅立ったのをきっかけに現場復帰を果たした。
「院長、相馬先生を連れて来ました」
「入れっ」
御年73歳の高木院長は小児心臓血管外科医のパイオニア。彩名の主治医でもあった。
生後間もなく、重篤な心臓病だった彩名の手術を執刀。当時、難病の心臓病を患った彩名の命を救った人。
医官にはなれなかったが。
病院で働くなら、憧れの高木院長、彩名がお世話になった「清友会総合病院」でと思い、ここを選んだ。
「俺はこれで・・・」
「ありがとう。大泉君」
大泉医局長は俺を残し、姿を消した。
「掛けたまえ。相馬君」
「はい」
俺と院長は応接ソファを囲む。
「この間の手術は成功だったようだね・・・」
「はい。麻酔から覚めても、意識が回復せず、合併症かと焦りましたが・・・無事に意識も回復し、もうすぐ、退院致します」
「・・・そうか…我が病院はまた一人の少女の命を救ったんだな・・・確か彼女は17歳。16歳以下なら、もう少し難手術として加点も高ったんだが・・・」
高木院長の言う加点とは、4つの学会で構成される心臓血管外科専門医認定機構が示す、ガイドラインの評定基準の話。