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初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
第23章 エピローグ
「眞彩の元に行く前に、爺ちゃんの元に行きたい。母さん、ダメ?」

「そう?」

「柚希がそう言うなら、一緒に行こう」


「眞彩には私達が付き添うから・・・安心して、柚希君」

俺達の元に桐生社長夫妻が来た。

「夫妻には話したの?父さん」

「まあな・・・すまない。桐生社長」

「柚希君本人から、手術は成功したと相馬会長も訊きたいはずだ。早く行ってあげなさい。柚希君」

「お言葉に甘えて・・・」


俺達3人は爺ちゃんの元に急いだ。


「爺ちゃん・・・」

爺ちゃんの意識は朦朧していた。
既に、半年の余命を超えていた。いつ容体が急変してもおかしくはなかった。



「お父さん、赤ちゃんの手術は成功したわよ・・・」

「!?」

爺ちゃんは目を開いた。


酸素マスクを着けている為、会話は出来なかったが、口許には安堵した笑みを浮かべていた。


「爺ちゃん・・・」

俺は爺ちゃんの右手をそっと握りしめた。


爺ちゃんの目には涙が湧き上がる。


「爺ちゃん・・・俺、相馬家の後継者としての務めは果たしたから・・・」

自分の行く道を邪魔する爺ちゃんを疎ましく思った時期もあった。
でも、それは爺ちゃんの愛だと気づいた。
爺ちゃんが生きている間に、気づけて良かったと思う。


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