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第4章 見合い相手は御曹司

「でも・・・実は桐生様からこんなモノを預かった」

「お爺様から何を預かったんですか？」

紡さんは気まずそうに上着のポケットからカードキーを取り出した。

「カードキー？」

「ホテルの最上階のネオスイートのカードキーだ・・・」

紡さんは私の帯の中にカードキーを押し込む。

「返すよ」

「お爺様は何を考えてるのか・・・」

「妹の小陽の嫁取りには失敗したから…今度は成功させたかったんでしょ？」

「・・・」

「桐生様は伊集院家と親戚になりたいと望んでいるからね。
でも、親戚の相手は相馬家でもいいんじゃない？」

相馬家と親戚って・・・私と柚希が結婚するってコト？？
そうなれば、嬉しいけど・・・


「俺がひと肌脱いでやろうか？」

「ええ～っ！？」

「実は蓮に頼まれたんだ。柚希との仲が曖昧で、妹が不憫で仕方がないって・・・」

お兄様は私と柚希の関係を知っている？
稜真さん夫妻に見られたのがマズかった？柚希に頼まれたけど・・・稜真さんの口止めは出来なかったし。