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再会という名のBAR
第2章 新しい店と新しいマスター
翌週の金曜日、伊知子と2軒目の店としてあの「再会という名のBAR」へと足を向けた。
路地を曲がる瞬間、伊知子はハァっとため息をつく。
無くなっちゃったんだよねぇ、とあらためて行きつけの店が閉店した寂しさを
かみしめていた。
「どんな人がマスターなのかね・・」
店の内装が変わってしまっただろうか、酒の値段が値上がりしてないだろうか、
など気になる点は多々あるが、やはり一番の心配といったら
新しいマスターと気が合うかどうか・・
店の前に立つと伊知子は看板を見上げてまずはホッと胸をなでおろし、
それからドアに打ち付けられたネームプレートを見た。
「ほんとだ・・なに?この名前。再会という名のBARっていうバーなの?」
ふうん、と鼻先で息を鳴らし、瞳を振り返る。
じゃあ開けるよ、と声をかけた伊知子に瞳はコクリと頷いて見せた。