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それを、口にすれば
第13章 思いやるということ
「何があったのかは知らないが……ご主人のことなんだろう? 優雨ちゃんがあんな危ない連中と関わるとは思えない。最近急にシフトを増やしたのもそのせいだよね」
「あの……それは……」
「今日はもういいから、帰って話し合うといい……ずっと休んでないんだから。明日は定休日だし、時間を掛けてご主人としっかり向き合うんだ」
そんなことまで考えてくれていたなんて……
思いがけない、店長のその思いやり溢れる言葉に、優雨は涙が溢れそうになった。
「それでも解決しなかったら、なんでも相談するんだよ」
「……ありがとうございます!」
確かに、優雨は休む間もなく働き、家に帰っても良介は逃げるように自室に閉じこもってしまうために話が出来ていなかった。
うんうんと頷きながら事務所を出ていく店長の大きな背中に、優雨は深々と頭を下げた。
……ロッカー室に入り制服を脱ぐと、胸の間や背中にびっしょりと汗をかいている。
ここのところ、お店の人たちに申し訳なくて本当に気が休まらなかったが……これで取り合えずお店に迷惑は掛からなくなったのだと思うと、店長への感謝の気持ちが改めて込み上げてくる。
そしてタオルで汗を拭き、バッグにしまってあったスマホを確認すると、結城からの新着メールがあった。
見ると、開封していないメールのタイトルだけがずらりと並んでいる。
ここ数日のものは『どうしている?』『一度連絡を』といったものばかりだった。
「あの……それは……」
「今日はもういいから、帰って話し合うといい……ずっと休んでないんだから。明日は定休日だし、時間を掛けてご主人としっかり向き合うんだ」
そんなことまで考えてくれていたなんて……
思いがけない、店長のその思いやり溢れる言葉に、優雨は涙が溢れそうになった。
「それでも解決しなかったら、なんでも相談するんだよ」
「……ありがとうございます!」
確かに、優雨は休む間もなく働き、家に帰っても良介は逃げるように自室に閉じこもってしまうために話が出来ていなかった。
うんうんと頷きながら事務所を出ていく店長の大きな背中に、優雨は深々と頭を下げた。
……ロッカー室に入り制服を脱ぐと、胸の間や背中にびっしょりと汗をかいている。
ここのところ、お店の人たちに申し訳なくて本当に気が休まらなかったが……これで取り合えずお店に迷惑は掛からなくなったのだと思うと、店長への感謝の気持ちが改めて込み上げてくる。
そしてタオルで汗を拭き、バッグにしまってあったスマホを確認すると、結城からの新着メールがあった。
見ると、開封していないメールのタイトルだけがずらりと並んでいる。
ここ数日のものは『どうしている?』『一度連絡を』といったものばかりだった。