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それを、口にすれば
第14章 絆
着替えのために寝室に入ると、優雨はそっとスマホを手に取った。
昼間届いていた結城からのメールを見るためだ。

『私にできることがあったらもっと頼って欲しい。優雨の身体のことが心配だ……。これからのことも含めて一度会って話がしたい』

会って話がしたいと、結城はここのところずっと言ってくれていた。

〝これから〟のこと……。
多分、結城も自分と同じような想いでいてくれているのだろうと思う。

――簡単には動けない――
――人を傷付けたくはない――
――でも、もうこの心に嘘はつけない――

そんな想いだ。

けれど、今は夫と、この家庭に降りかかった災難を解決しなくてはいけない。
良介の妻として。
そしてそのことについて、結城に一切の迷惑を掛けてはいけないのだ。

明日、その恩人の方と会って、お金のことが本当に解決したら……。
どこかで結城さんに話を聞いてもらおう。

ずっと話せなかったことを打ち明けよう。

そして、これからの二人のことを……。








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