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それを、口にすれば
第3章 淫らな食べもの
(え……何……?)
結城が何をしたいのかが分からない。
しかし、優雨を見つめる結城の瞳がいつの間にか熱く燃えていた。
「さっきの牡蠣の話は本当ですよ。西欧でも日本でも、牡蠣は女性の象徴……口にすれば、淫らな気持ちになると信じられてきました」
誤魔化そうと思って笑みを返すが、引きつってしまって上手くいかなかった。
「淫らな……気持ちって……」
「淫らな気持ちを忘れてしまったかな? それとも……なったことが無い?」
良介とのセックスで、もちろん快感を感じたことはあるが、淫らなどという気持ちとは程遠かった。でも、今のこの気持ちは……?
こんなのは自分らしくない……飲み過ぎてしまったのだろうか。
それとも本当に、味見をした牡蠣が影響して……?
良介と理沙子がどんな表情でこのやり取りを見ているのか確かめる勇気がない。
優雨は膝の上で手を握りしめてただ俯いた。
(なぜ、誰も何も言わないの?)
「口を開けなさい……口にすれば、何かが変わるから」
結城の瞳に射抜かれたままの優雨は、大きく息を飲んでいた……。
結城が何をしたいのかが分からない。
しかし、優雨を見つめる結城の瞳がいつの間にか熱く燃えていた。
「さっきの牡蠣の話は本当ですよ。西欧でも日本でも、牡蠣は女性の象徴……口にすれば、淫らな気持ちになると信じられてきました」
誤魔化そうと思って笑みを返すが、引きつってしまって上手くいかなかった。
「淫らな……気持ちって……」
「淫らな気持ちを忘れてしまったかな? それとも……なったことが無い?」
良介とのセックスで、もちろん快感を感じたことはあるが、淫らなどという気持ちとは程遠かった。でも、今のこの気持ちは……?
こんなのは自分らしくない……飲み過ぎてしまったのだろうか。
それとも本当に、味見をした牡蠣が影響して……?
良介と理沙子がどんな表情でこのやり取りを見ているのか確かめる勇気がない。
優雨は膝の上で手を握りしめてただ俯いた。
(なぜ、誰も何も言わないの?)
「口を開けなさい……口にすれば、何かが変わるから」
結城の瞳に射抜かれたままの優雨は、大きく息を飲んでいた……。