この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それを、口にすれば
第4章 恥ずかしいお願い
何かが変わる……。
何が変わると言うのだろう?
淫らな行動を起こす自分など想像もできない。
それに、万が一この場で淫らな気持ちになったとしても、優雨はただその気持ちをひた隠すしかないだろう。
現に、結城に見つめられただけで、自分の身体が自分のものではなくなったような……不確かな熱に侵されてはいたけれど、それを見抜かれてしまったら、恥ずかしくてとても普通ではいられないと思った。
(結城さん、そんなに見ないで……)
しかし、うろたえる優雨を見つめたまま、結城は優雨の皿に牡蠣を乗せた。
「悪乗りが過ぎましたね……ハハハ……失礼しました」
結城の笑顔がいつものものに変わっている……。
ただ、牡蠣を取り皿に取ってくれただけだったのだ。
からかったのなら酷いとも思ったが、今のやり取りのお陰でいつの間にか良介の機嫌も直っていて、優雨は心底ホッとしていた。
「本当に旨いからご自分でも食べてみてください」
そう言われ、結城がシェアしてくれた牡蠣を一粒口に含むと、オイルが染みていて作り立ての時よりもさらに美味しくなっていた。
(それにしても、牡蠣を食べると淫らな気持ちになるというのは本当なんだろうか……)
気になったままだったが、また話を蒸し返す勇気もなく、優雨は美味しいワインをついつい飲み過ぎてしまうのだった。
火照ったままの身体には気付かない振りをしながら……。
何が変わると言うのだろう?
淫らな行動を起こす自分など想像もできない。
それに、万が一この場で淫らな気持ちになったとしても、優雨はただその気持ちをひた隠すしかないだろう。
現に、結城に見つめられただけで、自分の身体が自分のものではなくなったような……不確かな熱に侵されてはいたけれど、それを見抜かれてしまったら、恥ずかしくてとても普通ではいられないと思った。
(結城さん、そんなに見ないで……)
しかし、うろたえる優雨を見つめたまま、結城は優雨の皿に牡蠣を乗せた。
「悪乗りが過ぎましたね……ハハハ……失礼しました」
結城の笑顔がいつものものに変わっている……。
ただ、牡蠣を取り皿に取ってくれただけだったのだ。
からかったのなら酷いとも思ったが、今のやり取りのお陰でいつの間にか良介の機嫌も直っていて、優雨は心底ホッとしていた。
「本当に旨いからご自分でも食べてみてください」
そう言われ、結城がシェアしてくれた牡蠣を一粒口に含むと、オイルが染みていて作り立ての時よりもさらに美味しくなっていた。
(それにしても、牡蠣を食べると淫らな気持ちになるというのは本当なんだろうか……)
気になったままだったが、また話を蒸し返す勇気もなく、優雨は美味しいワインをついつい飲み過ぎてしまうのだった。
火照ったままの身体には気付かない振りをしながら……。