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それを、口にすれば
第7章 本当に求めるもの
やっと訪れた土曜日の朝、結局和食が口に合う様子の良介といつもの朝食を食べ、家事を済ませる。

それは以前と変わらない朝の風景だったが、大きく変わったこともあった。
洗濯物を干していても、掃除機をかけていても……これから結城に会うのだと思うと、胸がドキドキし、身体全体が熱くなってしまうのを感じる。

今日もし挿入を求めてもらえたら、拒む自信は無かった。

家事が終わり、そろそろ準備をしようとひとり寝室に入る。
日当たりの良いこの寝室は、子供が生まれたら子供部屋にしようと考えていた部屋だ。
淡いピンクの壁紙は可愛らしく、女の子にぴったりだ……。

なぜか、優雨の想像の中での子供は常に女の子だった。

この部屋で子供を育てることを夢見て何度も良介と身体を重ねたのに、今は隣家の夫と淫らな行為をする部屋に変わってしまっている。
そしてそれを夫も承知していて……。

今の自分の気持ちがどこにあったとしても、あの頃の様な日々がもう二度と来ないのかもしれないと思うと……優雨は少ししんみりしそうになった。
しかし、これから結城がやって来るということは心から嬉しい。

あの頃の汚れの無かった自分の気持ちを思うと虚しくなるが、結城を失うことはもう考えられないとも思うのだ。
結城以外に抱かれたくない、結城以外の男性にはもう感じることはないのではないか……とまで思えて来る。

そんなことを考えているうちに、優雨の下半身はまた激しく濡れていた。

ベッドサイドにある箪笥の引き出しを開け、いつもの真紅の下着に着替えようとする。
と、その時……廊下の先から良介が玄関の鍵を開ける音が聞こえた。
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