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それを、口にすれば
第7章 本当に求めるもの
いつもより少し早いけれど、もう理沙子さんのところへ行くのかしら……?

そう考え、自分も少し急ごうと全てを脱ぎ去り新しい下着に手を伸ばしたところで、寝室の扉が突然開いた。

見ると、そこには良介と結城、そして理沙子が立っている。

「きゃあっ……ごめんなさい、私、着替えを……」

その場にいる全員に裸を見られたことがあっても、着替えているところを見られるというのはやはり恥ずかしい。
ノックもせずに入って来られたというのに優雨は思わず謝って、ベッドの影にしゃがみ込むように体を隠した。

しかし。

「優雨さん、ベッドに上がりなさい」

挨拶もせず、にこりともしなままで結城が言う。
それは命じるような口調だった。

「え……結城さん……?」

問い掛けには答えず、結城は自分の妻に顎で合図する。

「ほら、理沙子」

呼び慣れた名前……。

ここのところは結城と理沙子が並んでいるところを目にしていなかったが、今更ながら、二人が夫婦なのだということを思い知らされる。

しかしいくら結城に言われても身体がすぐに動く訳ではなかった。
何しろ全裸なのだ。

身動きの出来ない優雨を、焦れた様子の良介がベッドに放り投げるようにして押し倒す。

「ああっ……!」

そのはずみで優雨の腕がサイドテーブルに当たり鈍い音を立てた。
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