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支配~control~
第8章 崩壊

…。
ひとしきり泣いた後、私は涙を拭った。
「…落ち着いた?」
「はい…ごめ、なさい…」
なんとも恥ずかしい気持ちでいっぱいになり、謝罪の言葉が出る。
その言葉に対して、陸さんは少し何やら考えた後にこう言った。
「ごめんより、ありがとうって言おうよ」
…?
「俺たち謝ってばっかじゃん。俺、ありがとうって言葉、好きなんだよ。ごめんより、ほら、未来があるって言うか…」
陸さんが言うには、【ごめん】は過去のことを指して言う言葉で、【ありがとう】は未来を指して言う言葉…らしい。
「だから…ほら、ありがとうって言って」
でも、そもそもそういう言葉は、『言って』と言われて言う言葉じゃないのに…。
なんだかおかしくなってきて、私は少し笑って言った。
「…ありがとう」
大丈夫。
まだ笑える。
ひとしきり泣いた後、私は涙を拭った。
「…落ち着いた?」
「はい…ごめ、なさい…」
なんとも恥ずかしい気持ちでいっぱいになり、謝罪の言葉が出る。
その言葉に対して、陸さんは少し何やら考えた後にこう言った。
「ごめんより、ありがとうって言おうよ」
…?
「俺たち謝ってばっかじゃん。俺、ありがとうって言葉、好きなんだよ。ごめんより、ほら、未来があるって言うか…」
陸さんが言うには、【ごめん】は過去のことを指して言う言葉で、【ありがとう】は未来を指して言う言葉…らしい。
「だから…ほら、ありがとうって言って」
でも、そもそもそういう言葉は、『言って』と言われて言う言葉じゃないのに…。
なんだかおかしくなってきて、私は少し笑って言った。
「…ありがとう」
大丈夫。
まだ笑える。

