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支配~control~
第10章 支配
「ん...っ」

激しく。
優しく。

唇を奪う。

「…ふぁッ…ん、ッ…」

貪りつくようなキスに溺れていく。

とろんっとした瞳で見つめる茜を力いっぱい抱き締めた。


「ちょ…ッ、何してるのよ」
早紀が叫ぶ。

「お前…いい加減、空気読めよ」
それを制止する陸の姿。

「うるさいわねッ私は本当に純のこと…ッ」

「…いくら想っても、伝わらない想いもあるんだよ」
陸の顔が一瞬だけ曇るのがわかる。
でもそれはほんの一瞬で、すぐにこっちを向いて言った。
「純、茜ちゃんのこと…泣かすなよ」

「…それは、約束出来ない」

「お前...っ」
「でも」
陸の言葉を遮る。
「もう、一生、離さねぇよ…」

ふっと陸が笑う。
「…お前らしいね…もう行けよ」
くいっと顎で出口を指す。

「悪いな」

早紀が叫ぶように呼び止める声を背に、俺たちは店を後にした。
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