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支配~control~
第3章 好きの気持ち
振り返ると、女が2人…。
「あの、一緒に飲みませんか?」

「いや…」
断ろうとするのも聞かずに一人の女が陸の隣に座って話を始めた。

「私たち、よくこのお店来てて…見掛ける度に格好いいねって話してたんです」
いかにもブリッコをしている女に嫌気がさす。

そして、もう一人も俺の隣に座って、すり寄ってくる。
「ね、今日は私たちと一緒に楽しもうよ」

「…」
陸はもともとこういう女は嫌いだし、俺も今までなら適当に相手して、適当に抱いて、適当にあしらっていたけど、今は違う。
俺たちの空気を読めないのか、わざと読まないのか…、乗り気ではない空気をよそに二人はお酒を飲み出した。

「陸さんと純さんですよね」
見ず知らずの奴に名前を知られているほど気持ち悪いものはない。
「え、なんで…」
バカ正直に陸が反応する。

「だっていつもそう呼び合ってるから」
キャッキャと騒ぐ声が耳に障る。

「私たちも、陸、純って呼ばせてもらお~』
「私たちのことは、京子と早紀って呼んで」
勝手に呼び方を決められ、呼ばれる。

いくら酒を飲んでいても、ついていけない。
「俺、空気読めない女無理」
ぼそっと冷たく発すると一瞬その場の空気が凍るのがわかった。
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