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第4章 ヤキモチ

「…離してください」
腕を解こうとするが、今度は簡単には外れない。
「…」

「…っ」
無言で歩くその威圧感に圧される。

連れ込まれたそこは、宿直の人が使うｼｬﾜｰ室。
普段、昼間はほとんど誰も来ない場所。
入るなり壁に荒々しく叩きつけられた。
「…痛っ」

「何を怒ってる？」
目はきつく、その目に見つめられると何も言えなくなる。
「…」

答えない私に純さんは続けた。
「言わないとわからない」
そして荒々しいキス。

でもその唇は、昨夜、あの女の人とも重なったもの。

嫌。嫌。嫌。

…一緒にしないで。

唇を噛み、ありったけの力で身体を押し退ける。
「痛って…」
純さんの身体が離れ、その唇からは血が滲んでいた。