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第1章 曇り空

「新入生は講堂に集まってください」
言葉につられて、スーツに身をつつんだ集団がぞろぞろと動き出す。
私も遅れないようにその集団に混ざって歩き出す。

入学式はいつも変わらない。
校長先生の長くてつまらない…もとい、ためになる話を聞いて、その後も「入学おめでとう」という言葉が延々と続く。

大学でもやっぱりこの行事は変わらないな…。
そんなことをボーっと考えている私の後ろから声が聞こえた。

「凛？」

ん？…チラッと振り返ってみる。

「やっぱり。凛だろ?」

私の名前を呼ぶその男は明るい笑顔を見せた。
美少年とは言えないが、明るく染めた髪の毛に、ほどよく焼けた肌がよく似合っていて、どこかカッコイイ雰囲気をかもし出している。