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伝わらない想い
第8章 人を愛するということ
「やっぱり...蘭ちゃん」

え...。

急に名前を呼ばれてそちらを向くと、そこには私の苦手とする人。

「...優希さん」

「こんばんは」
あのいつもと変わらない笑顔で挨拶される。

「こんばんは...」

「今日はお店お休み?」

「はい...」

早く切り上げたくて、簡単な返事になってしまう。
もっと大人な対応が出来たら良いのに...。
自己嫌悪に陥る。

「良いわね、お友達とお茶なんて...あれ、そちらもどこかで...」

どこかでって…ついこの前一緒の席に座ってたのに...。
「優希さん、この子は...」

「あ、こんばんは、この間はありがとうございました」
私が言いかけた言葉を遮り、茜ちゃんが立ってペコっと頭を下げた。

「この間...あ、ああ、純の...」

「はい」
ニコッと笑みを見せる。

茜ちゃんは私が思う大人な対応をさらっとこなした。
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