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伝わらない想い
第9章 伝えたい想い
「大丈夫、大丈夫だから...」

シャワーのお湯が俺たちを濡らす。
その中で、また強く抱き締めた。

「陸、ごめ...」

「お前が謝ることは何もない」

「ごめ....」
声を無理矢理出そうとする。

「蘭、大丈夫だから」

「陸.....うっ....」
堪えるように静かに泣いていた蘭が今度は子どものように泣きじゃくった。

「怖かったな...」
「ずっと俺がいるから」
「二度とこんな思いさせないから」

「蘭」

「り...く...」

自分も服を脱いで、蘭を後ろから包み込むような形でお湯の入ったバスタブに浸かる。

少しずつ落ち着きを取り戻していく。

けど、またすぐ何かを思い出すようにガタガタと震えだす。

その度に、抱き締める腕にぎゅっと力を込めた。

それを何度か繰り返した。
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