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伝わらない想い
第9章 伝えたい想い
濡れた身体を拭いて俺の服を着せる。

そして二人でベッドに横になった。
そこでも、ただ、蘭の身体を包み込むように俺は抱き締めた。

その頃には蘭も大分落ち着いて、いつもの様子を取り戻してきていた。

「陸、苦しいよ」

「...悪い」
少し腕を緩める。

「やだっ...離れちゃ...」

......。


ー。


.........。

「...蘭、好きだ」
胸に抱きながら想いを伝える。

蘭はピクっと身体を動かした。
「...え?」

「待たせて、悪かった…」

「......」

「...好きだよ」


「.......バ...ッ」

「え?」

「...バカ...ッ」
俺の腕をぎゅっと掴みながら、蘭は小さく小さく呟いた。

「蘭、愛してる」

「陸....」
蘭の瞳からはまた涙が頬を伝っていた。
その濡れた雫を指で掬う。

「蘭」

俺たちは、ゆっくり、ゆっくりと唇を合わせた。
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