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伝わらない想い
第5章 伝わらない想い
「いい加減目醒ませよ」

俺の言葉に純は、目の前のグラスを一気に飲み干した。

「そいつじゃねぇだろ」
お前が好きなのは...。

純の隣の女は未だにベタベタと纒わり付いていた。

「好きなんだろ?茜ちゃんのことが...」

好きで好きで仕方ないから離れた今、そんな風にどうしようもない気持ちを抱えて壊れてるんだろ。

だったら、自分から手放すようなことすんなよ。

「好きでもない奴抱いて何があんだよ」

ただ睨み付けてくる純。

俺は大きくひとつ息を吐いた。
「...あの日のこと、覚えてるか?」
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