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友達でいるしかない
第7章 時の流れ
「課長。できました。チェックしてください」

プリントアウトした資料を全部揃え、ソファーでくつろいでいる上司に渡す。
一枚一枚丁寧にチェックしていく。
問題ないことをただ祈るのみ。

「うん。問題なさそうだね。みんな、お疲れ様。篠宮君。成人式当日に遅くまで仕事になって、すまなかったね。人生で一度きりのイベントだ。行かせてあげたかったのだけどね。」

課長が少し申し訳なさそうに言う。

「いえ。すべて自分のミスですから…もっとしっかりとチェックしておけば皆さんの手を煩わせることもなかったんです。こちらこそ休日に手伝っていただいてありがとうございます。助かりました。」

軽く頭を下げる。

「式が終わった後にクラス会とかあるんだろう」

同期の渡辺が俺に確認してくる。

「ですね。18時からなんで…もう開きの時間ぐらいですかねぇ~…でも、その後に小学校からの幼馴染と集まるようになってるのでそっちには行こうと思ってます。」

「だったら、私たちの事は気にしないで帰りなさい。」

課長が俺の言葉を聞いて帰るように勧めてくれる。

「いえ…それは…」

「篠宮君。いいから帰りなさい。こんな日だから遠慮はしなくていい。私たちは…これから一杯どうかな??」

手伝ってくれた同期に向かって話を振ると『まってました』とばかりに課長の誘いに乗る。

「篠宮は帰った帰った~~で、もちろん、課長のおごりですよね~」

「まぁ、しょうがないだろうね。その分、月曜からしっかり働いてもらうよ」

にぎやかにどこの居酒屋に行こうかと話しているみんなには申し訳ないと思いながら課長の好意に甘えた。
会社を出たところで電話を掛ける。
すぐに相手が出る。
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