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友達でいるしかない
第7章 時の流れ
12時少し前に教えてもらった店に行く。
15分前なのに文香は席についていた。
俺に気がつくと笑顔で手を振ってくる。

「ごめん…またせたね。」

「大丈夫よ。…それにしても…則孝がスーツなんて不思議」

そう言って笑う。
昨日は仕事から直接来たから着替えをもってきていなかった。
だから今日も同じ服。

「ちゃんと社会人やってるんだ。昨日も仕事だったんでしょ?」

「あ~…昨日は俺のミスで色々とね。成人式に出られるように同期や課長が手伝ってくれたんだけどね。間に合わなかったよ」

「同期?その人たちも成人式じゃないの?」

「同期って言っても大卒だからね。一応年上。文香はどうなの?」

彼氏いるの?とは聞けない。

「私?会社は楽しいかなぁ。一人暮らしも快適。則孝も一人暮らしだったよね」

「ああ。でも寝に帰るだけ」

「忙しいの?」

「忙しいというか、まだまだ完璧にできないから人より多くやってる。色んなところに首つっこんで色々教えてもらってる。…忙しいから…彼女もつくれないよ」

少し、探りを入れてみる。
だけど、そのままスルー。

「やっぱり則孝だ。頑張り屋だね。」
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