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友達でいるしかない
第7章 時の流れ
文香の隣には仲よさそうに話している男がいたからだ。
他の人にぶつからないように腰に手を添えて自分の方に引く。
身体を密着させ、文香もそれを拒もうとしない。
彼は誰なのか言いようもない不安がこみあげてくる。
俺は文香たちと同じ歩調で反対の道を歩く。
2人の仲よさそうな雰囲気を感じながら…
少し歩くと赤信号で二人の足が止まった。
渡れば気が付いてくれるはずだけど近づけない。
文香の口から紹介されるのを恐れているから。
信号を渡れず二人の行動をみていると男性の顔が文香の顔と重なった。
少し顔が傾き、どうみてもキスをしているようにしか見えない。
そしてその男性の目が俺を捉える。
俺の存在を確認したかのように見えた。
顔をもとの位置に戻し、文香の髪の毛を撫でる。
文香の手が男の腕をつかんで笑いながら歩き出す。
その一連の行動が何を意味するのか。
答えは考えなくても分かる。
文香の彼氏以外何者ではないと。
どうしようもない空しさが俺の中を駆け巡る。
文香の幸せを願うならば、見守るしかないと分かっている。
分かっていても悔しくてたまらない。
歩いている男が振り向いて俺を見た。
そして勝ち誇ったかのように笑った。
その顔に見覚えがあった。
忘れもない…文香の高校時代の彼氏の中里慶介。
俺の事を弱いと言い切った男。
俺がいるのを知っていながら文香にキスをした。
他の人にぶつからないように腰に手を添えて自分の方に引く。
身体を密着させ、文香もそれを拒もうとしない。
彼は誰なのか言いようもない不安がこみあげてくる。
俺は文香たちと同じ歩調で反対の道を歩く。
2人の仲よさそうな雰囲気を感じながら…
少し歩くと赤信号で二人の足が止まった。
渡れば気が付いてくれるはずだけど近づけない。
文香の口から紹介されるのを恐れているから。
信号を渡れず二人の行動をみていると男性の顔が文香の顔と重なった。
少し顔が傾き、どうみてもキスをしているようにしか見えない。
そしてその男性の目が俺を捉える。
俺の存在を確認したかのように見えた。
顔をもとの位置に戻し、文香の髪の毛を撫でる。
文香の手が男の腕をつかんで笑いながら歩き出す。
その一連の行動が何を意味するのか。
答えは考えなくても分かる。
文香の彼氏以外何者ではないと。
どうしようもない空しさが俺の中を駆け巡る。
文香の幸せを願うならば、見守るしかないと分かっている。
分かっていても悔しくてたまらない。
歩いている男が振り向いて俺を見た。
そして勝ち誇ったかのように笑った。
その顔に見覚えがあった。
忘れもない…文香の高校時代の彼氏の中里慶介。
俺の事を弱いと言い切った男。
俺がいるのを知っていながら文香にキスをした。