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友達でいるしかない
第8章 届けたい気持ち
これで全てが終わったのだと思うと空しさが広がった。
長い長い片思い。
初恋でもあったと思う。
病院に見舞いに来てくれた時に、俺のために流してくれた涙に虜になった。
何かあれば必ず傍にいてくれた。
俺の味方でいてくれて俺の一番の理解者だった。
その理解者をいつも悲しませてばかりの俺。
悲しい顔を見たいわけではない。
だけどなぜか泣かせてばかりだった。
何がいけなかったのだろう?
どこで間違えたのだろうか。
俺はただ、文香が笑ってくれさえすればよかったのに。
それさえできない俺が傍にいるわけにはいかない。
これからの人生が笑顔であってほしいから。
俺のせいで涙なんて流してほしくないから…

女々しくグチグチ考えてるといきなりドアが勢いよく開いた。
ドアの前に座り込んでいる俺に容赦なくぶつかる。

「えっ??」

扉の隙間から文香が驚いた顔を出覗き込む。

「いきなり…開けるなよ」

痛さの余り涙がでる。
泣いていたのがばれなくてちょうどいい…

「あっ…ごめん…まさか、ここにいるなんて思わなくて…」

慌てる文香を怪訝に思う。
こんな夜遅くにでかけようとする。
でかける先は…一つしかないだろう。
俺の事を報告にいくのだろうか?
それとも元々、俺と飲んだ後に約束してのだろうか…
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