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友達でいるしかない
第8章 届けたい気持ち
「起きてる?」

寝ていなかったのか文香が声かけてくる。

「ん・・・起きてるよ…文香は眠れない?」

「うん…則孝…ごめんね…」

「…何が??」

「…我慢させてるよね」

「ん?」

何にごめんなさいか分からない。

「さっきから…則孝の…が背中に当たってて…我慢させてごめんね…」

言いにくそうに伝える。
文香を抱きしめてから益々元気になる俺のそれが文香に当たっていたらしい…
なんか情けなくなる。
待つと言ったのに、俺のそれは反応し続けたまま。

「あぁ…それね…まぁ一応男だし…でも、大丈夫。文香を感じられて幸せ。…今はこれだけで満足。文香は気にしなくていいから…寝よう…」

再度、文香を包み込み寝る体制に入る。
もちろん腰は少し引いて気付かれないように。
少ししてから文香が俺の腕の中でごそごそと動き体の向きを変える。
俺の胸に顔を埋めて辛うじて聞こえる声でつぶやく。

「則孝…抱いて…」

俺はその言葉に何も言い返せない。

「抱いて…ほしい…」

「ありがとう。でも無理しなくていいから…ちゃんと待つから」

うれしい誘いだった。
今すぐにでも抱きたいと思う。
だけど一度動き出したら止まらない。
初めての文香を優しくできないかもしれない。
それが分かっていたから何もしたくなかった。
文香の初めては大事に優しくしてやりたかったから。
大丈夫だと言ったのはやせ我慢で俺は反応し続けている。
だから、早く寝てしまいたかった。
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