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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第1章 初髪、初鏡
「コレには息子までいるぞ」
「えっ」
代わりに答えたのは日嗣で、しかしそれに初瀬は何か思い付いたように笑みを戻すとのったりと続けた。
「そーなんだけどさー。基本的に僕が働くのって正月くらいだから、あとはまた一年分の力を蓄えないといけなくて、けっこう肩身が狭いんだよねー。……それに穀物とか豊穣の神様って、アレだから」
「あれ?」
「うーん、こういうこと?」
「……っ!?」
言いざまに再びムニュッと胸を揉まれた神依はお銚子を落とし固まり、日嗣は箸を、禊は黒豆を取り落として硬直した。
「……あ……あぁああの……」
「んー、豊穣って子宝にも通じるものがあるからか、“旺盛”でね~。奥さんに『正月くらい帰ってこなくていいから休ませて!』って掃き出されちゃって──ああ、やっぱり女の子は柔らかくて気持ちいいな~」
「初瀬……貴様やっぱり叩っ切る……!!」
話しながらもその手の動きを止めない男に、日嗣は剣を掴んでがばりと立ち上がる。
しかし初瀬はそれも楽しむようににこにこと笑い、とんでもないことを宣い始めた。
「でもさー、日嗣だって稲穂の神様じゃない。なんだかんだ言って、こういうことばっかり考えてるんじゃないの~」
「えっ」
代わりに答えたのは日嗣で、しかしそれに初瀬は何か思い付いたように笑みを戻すとのったりと続けた。
「そーなんだけどさー。基本的に僕が働くのって正月くらいだから、あとはまた一年分の力を蓄えないといけなくて、けっこう肩身が狭いんだよねー。……それに穀物とか豊穣の神様って、アレだから」
「あれ?」
「うーん、こういうこと?」
「……っ!?」
言いざまに再びムニュッと胸を揉まれた神依はお銚子を落とし固まり、日嗣は箸を、禊は黒豆を取り落として硬直した。
「……あ……あぁああの……」
「んー、豊穣って子宝にも通じるものがあるからか、“旺盛”でね~。奥さんに『正月くらい帰ってこなくていいから休ませて!』って掃き出されちゃって──ああ、やっぱり女の子は柔らかくて気持ちいいな~」
「初瀬……貴様やっぱり叩っ切る……!!」
話しながらもその手の動きを止めない男に、日嗣は剣を掴んでがばりと立ち上がる。
しかし初瀬はそれも楽しむようににこにこと笑い、とんでもないことを宣い始めた。
「でもさー、日嗣だって稲穂の神様じゃない。なんだかんだ言って、こういうことばっかり考えてるんじゃないの~」