- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第3章 誓約
日嗣は今の自分にできるだけの優しい声音で子狐達を呼ぶと、手のひらに抱いてそっと卓の上に座らせる。すると子狐はきょろきょろと双方を窺い、二匹体を寄せ合うと、照れ臭そうに女神にお辞儀をした。
そしてそれを見た女神は、先程の神依のように顔をほころばせて喜びをあらわにする。
『まあ──なんて愛らしい。畏れ多くも、天孫たる貴方様とそのご寵愛深き姫様の御子なれば、この棚田は未来永劫、淡島で一番の黄金の輝きを宿しましょう』
「そうだな……まだ幼いが、お前達は私と神依の子であり、また神でもある。私達の元で暮らしもっと成長してから祭られるのも、今ここでこの場に残り先達から教えを受け、時をかけ実りの神として成っていくのもお前達の自由だ。
毎日は無理だが、私は童と共に参るであろうし、神依とはまたこうして人目を忍んで会えるだろう。どちらも、寂しいことはない」
「日嗣様……!」
まるで自分を宥めるかのような言い方に、神依は──嫌だ、とふるふると首を横に振る。
この子達とは絶対に一緒に家に帰って、ずっと一緒に暮らすのだ。そして朝になったら、一番に禊や童を驚かせたい。
そしてそれを見た女神は、先程の神依のように顔をほころばせて喜びをあらわにする。
『まあ──なんて愛らしい。畏れ多くも、天孫たる貴方様とそのご寵愛深き姫様の御子なれば、この棚田は未来永劫、淡島で一番の黄金の輝きを宿しましょう』
「そうだな……まだ幼いが、お前達は私と神依の子であり、また神でもある。私達の元で暮らしもっと成長してから祭られるのも、今ここでこの場に残り先達から教えを受け、時をかけ実りの神として成っていくのもお前達の自由だ。
毎日は無理だが、私は童と共に参るであろうし、神依とはまたこうして人目を忍んで会えるだろう。どちらも、寂しいことはない」
「日嗣様……!」
まるで自分を宥めるかのような言い方に、神依は──嫌だ、とふるふると首を横に振る。
この子達とは絶対に一緒に家に帰って、ずっと一緒に暮らすのだ。そして朝になったら、一番に禊や童を驚かせたい。